ビジネスマンの活力を230%アップするノウハウを伝えます@中沢雅孝レポート
12月号


■公共交通を補う役割も。利用拡大する「シェアサイクル」。

 タクシーに乗るほどでもないが、歩くとけっこう時間がかかる…そんな微妙な距離の移動にぴったりなのが、最近、急速に伸びている「シェアサイクル」です。国内では、全国135の都市が本格導入しており、実証実験や検討中も含むと200都市を超えます(2018年/国交省)。公共交通機関の代替手段としてや市街地の渋滞緩和などを担う役割も期待されています。

 利用者は、事前に会員登録し、スマホなどを使って、街中に設置されている専用駐輪拠点(ポート/ステーション)のどこからでも自転車を借りることができます。24時間利用でき、料金は各社により異なりますが、平均すると30分100円〜150円。返却はレンタサイクルのように借りた場所まで戻る必要はなく、最寄りのポートに返すだけ。この、“乗り捨てできる自由”こそがシェアサイクルの大きな魅力です。

 赤い車体がトレードマークの「ドコモ・バイクシェア」(2015年開始/運営:ドコモ・バイクシェア)は、2019年現在、都内のポート数が約650カ所、自転車数は約7400台。電動アシスト付き自転車を使用し、GPSで位置をリアルタイムで管理。料金は30分で150円。支払いは、クレジットカードかドコモケータイのみ。

 ソフトバンクグループの「ハローサイクリング」(2016年開始/運営:オープンストリート)は、シェアサイクルのシステム提供を中心に全国各地で事業を展開。2017年からは[セブン-イレブン]と提携し、店舗敷地内にポートが設置されています。

 そのほか、12時間、24時間など、長時間利用を想定したシェアサイクル「コギコギ・スマート!」(2015年開始/運営:コギコギ)。業界最安値(24時間300円)を打ち出した「ピッパ」(2017年開始/運営:オーシャンブルースマート)。地域参加型で個人宅や店舗の軒先などをポートスペースとして提供してもらうという新しいスタイルで展開する、メルカリの「メルチャリ」(2018年開始/運営:ソウゾウ)、などなど。

 また、2017年〜18年にかけて中国大手の「モバイク」や「ofo(オッフォ)」が鳴り物入りで日本に進出してきましたが、本国での経営悪化を理由に、「ofo」はわずか半年余りで日本から撤退。「モバイク」も海外拠点を閉鎖して本国での事業に集中する方針とか。

 最近は、シェアサイクル単独ではなく、相乗効果を狙った異業種との連携が目立ってきています。特に、ユーザーを店舗に誘導したいコンビニやスーパーといった小売業とのコラボがトレンドとなっています。

 政府は、『自転車活用推進法』(2017年施行)の中で、シェアサイクル施設の整備を掲げて積極的に後押し。IoT化やキャッシュレス決済も追い風となっているシェアサイクルが、今後、社会インフラの新たなビジネスモデルとして定着していくのか、いま、まさに試されようとしています。

※参考:



国土交通省          https://www.mlit.go.jp/
ドコモ・バイクシェア     https://www.d-bikeshare.com/
ハローサイクリング      https://www.hellocycling.jp/
コギコギ・スマート!      http://cogicogi.jp/
ピッパ            https://pippa.co.jp/
メルチャリ          https://merchari.bike/
日本経済新聞電子版(2019年4月26日付/同6月19日付)
日本経済新聞(2019年6月3日付/同7月4日付)
日経МJ(2019年8月9日付)