日本が誇る発酵食品の中でも古い歴史を持つ「ぬか漬け」。米ぬかに漬けこむだけで、さまざまな野菜が乳酸菌たっぷりの栄養食品になるという伝統食です。減塩ブームの影響もあって一時はなりを潜めていましたが、発酵食品の良さが知れわたるとともに、漬物もまた見直されているようですね。最近は、ぬか床を作るための教室も開講されるほどです。
ぬか床とは、ぬか漬けの漬床にするぬかみそのことで、米ぬかと水、塩、昆布などを使ってつくります。ぬか床はお世話が大変という話もよく聞きますが、毎日のかき混ぜのため旅行等にぬか床を連れていくというのは昔の話だそうで、現在は、2〜3日であれば密閉容器に入れて冷蔵庫に保存すれば大丈夫です。通常の保管場所も、蓋つきの密閉容器であれば、冷蔵庫で管理できます。「発酵促進のために1日1回は常温に戻してかき混ぜる」「水気が出たらキッチンペーパーなどで拭き取る」の2つさえ守れば、いつまでも元気なぬか床を保てます。こわがらず、ともかく作ってみるぐらいの気持ちでスタートするのがいいかもしれません。
多くの発酵食品と同様、ぬか漬けも美容や健康に良いことがわかっています。また、手に入れた米ぬかは、ぬか床だけでなく大いに活用しましょう。布の袋に入れて体や顔を洗うぬか袋を作ったり、炒ってハンバーグのパン粉代わりに使えます。
おいしくて体にやさしい伝統食、ぬか漬け。自分の好みでどんどんカスタマイズしてお気に入りの「Myぬか床」を作り、お好きな野菜を漬けこんで日々の食生活に上手に取り入れていきたいですね。
※参考:
一般財団法人 日本米穀商連合会 http://www.jrra.or.jp/
マルカワみそ株式会社 https://marukawamiso.com/
発酵美食 https://www.marukome.co.jp/marukome_omiso/hakkoubishoku/
東海漬物株式会社 http://www.kyuchan.co.jp/index.html
NHKオンライン https://www.nhk.or.jp/
読売新聞(2019年3月1日付)
|