最近、あまり見かけなくなったといわれて久しい公衆電話。デビューは1900年(明治33年)9月11日で、東京の上野駅と新橋駅に設置されました。日本で電話サービスが誕生して10年後のことです。家庭用の電話は、今の金額に換算して月額15万円という電話料金だったそうで、一般家庭には高嶺の花でした。誰もが使える公衆電話の登場で、電話の存在が身近になったことは想像に難くありません。
携帯電話の普及とともにその数が減少している一方で、東日本大震災や台風などの災害時、電話の前に列ができたのも記憶に新しいところです。公衆電話は、災害の際の通信制限や停電などで連絡手段が断たれた時も「災害時優先電話」としてつながりやすい仕組みになっているのです。また、避難所等で無料で使える「災害時用公衆電話」も、東日本大震災をきっかけに台数が7倍に増加しています。
このように災害や緊急時に欠かせない公衆電話ですが、NTT東日本による調査で、小学生の約85%が公衆電話を使ったことがない、知らないということが判明しました。そこで、小学校で公衆電話の使い方教室を実施するなど啓発活動も行われています。公衆電話の位置は検索すればわかるので、塾の行き帰りや、お子さんの活動範囲にある電話の場所を親子で一緒に確認し、使い方を教えるのもいいですね。
携帯電話が普及した現代も、いざという時にはお世話になるかもしれない公衆電話。その役割も機能も、しっかり次の世代につないでいくことが大切です。
※参考:
NTT技術史料館 http://www.hct.ecl.ntt.co.jp/
東日本電信電話株式会社 https://www.ntt-east.co.jp/
KDDI株式会社 https://www.kddi.com/
講談社ブルーバックス https://gendai.ismedia.jp/bluebacks
株式会社教育新聞社 https://www.kyobun.co.jp/
FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/
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