家で過ごす時間が長かった今年、料理やお菓子作りの腕を磨いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
料理やお菓子作りに欠かせない食材の1つがバターですが、最近は外国産のものを見かけたり「〇〇のバターを使ったお菓子」とアピールされるなど、バターそのものの人気が高まっています。
バターは、生乳などから作られたクリームをかくはんし、脂肪粒を集めて固めたもので、1箱分にあたる200グラムのバターを作るのにおよそ4.3リットルもの生乳を必要とします。その歴史はとても古く、紀元前2000年頃のインドの経典にバターと思われるものが書かれており、旧約聖書にも登場しています。世界中で食べられている乳製品でもあり、インドでは、溶かしバターを意味する「ギー」が儀式に用いられるなど、神聖なものとされています。
さて、バターには有塩と無塩がありますね。有塩タイプは風味がよくトーストや料理全般に適しています。無塩タイプは、お菓子作りやハード系のパンにおすすめです。余談ですが、生乳には微量の塩分が含まれていることから、最近は「無塩バター」と表記せず「食塩不使用バター」と表記されます。製法は2種類あり、1つは「非発酵バター」といい、これは日本の一般的なバターです。もう1つが生乳から分離させたクリームを乳酸菌で発酵させた、「発酵バター」です。ヨーロッパで主流のこのタイプは日本でも今、かなりの人気です。さらに最近では牧草だけを食べて育った牛のミルクでつくる「グラスフェッドバター」も注目されています。
バターはコレステロールを多く含むとされていますが、トーストに塗ったり料理に使ったりする程度なら心配ありません。また、食用油脂の中では消化が良く、ビタミンA、E、Dも含まれています。
生乳と塩だけでつくられるバターは原料がシンプルな分、製法や生産国、牛が食べているものによって、風味や味に驚くほど違いが生まれます。それだけに奥が深く、食べ比べる楽しみも。バターを替えるだけでいつものパンが驚くほどおいしく、リッチな気分になりそうです。
※参考:
一般社団法人Jミルク https://www.j-milk.jp/
株式会社明治 https://www.meiji.co.jp/
雪印メグミルク株式会社 https://www.meg-snow.com/
よつ葉乳業株式会社 https://www.yotsuba.co.jp/
片岡物産株式会社 https://www.kataoka.com/
株式会社三越伊勢丹ホールディングス https://www.imhds.co.jp/
楽天株式会社 https://www.rakuten.co.jp/
|