ここ数年、秋の深まりとともに「ジビエ」ということばを聞く機会が増えています。ジビエとは、フランス語で「狩猟で得た、山や野を駆け巡った天然の食肉」のこと。つまり、狩猟の対象であるシカやイノシシなど食用になる野生鳥獣と、その肉です。
中世のヨーロッパにおいて、狩猟は王族や貴族などが自分の所有する広大な土地で行うことができる特権であり、その成果でもあるジビエは特別な高級食材でした。時を経て現代でもジビエは上質で貴重な肉として知られ、世界中に愛好家がいるといわれています。
日本でも、狩猟解禁期間は11月15日から翌年2月15日と定められており、高たんぱくで低カロリーのジビエを提供するレストラン等はこの時期、人気を博しています。さらに近頃は野生動物が増加し、農林業や自然環境、農作物の被害につながっていることもあり、捕獲した鳥獣を害獣として廃棄するのではなく、命の恵みとして食材にし、有効活用する取り組みが始まっています。三重県では「みえジビエ」と名付けて県単位で運用・推進し、地元で捕獲されたジビエを県内のスーパーで販売しています。
ジビエはあくまでも野生鳥獣であり、食中毒のリスクもあるので、調理の際は十分加熱をするのが基本です。食べてみたいと思ったら、まずはジビエの特長を知り尽くしているプロの手によるジビエ料理がおすすめ。ジビエ料理の講習会も各地で開催されているので、参加するのもよいでしょう。
※参考:
一般社団法人 日本ジビエ振興協会 http://www.gibier.or.jp/
全国ジビエフェア http://gibierfair.jp/
みえジビエ https://www.miegibier.jp/
ジビエト https://gibierto.jp/
公益社団法人 日本食肉消費総合センター http://www.jmi.or.jp/
一般社団法人 日本フードサービス協会 http://www.jfnet.or.jp/
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