毎月レポート
廣谷 信幸レポート
ビジネスの情報

■予算編成をやめれば会社はうまくいく!? 脱予算経営とは
今頃は来年度の予算策定のピークを迎えている企業も多いはず。とくに財務や経営企画系の担当者は昼夜を惜しまずの忙しさで、他部署からは「声もかけにくい」という雰囲気となっている場合も少なくないようです。
 
この予算編成や予算管理を「やめよう」と提唱する人がいます。それが「脱予算経営(Beyond Budgeting)」の著者、ジェレミー・ホープ氏とロビン・フレーザー氏です。

2人によれば、予算編成は優れたコンピュータネットワークや経営モデルが導入されているにも拘わらず、いまだに煩雑であり、そのプロセスを短縮できていないと指摘します。大企業が予算編成にかける時間はだいたい4〜5ヵ月で、これでは環境変化の激しい今の時代にはついていけないと言うのです。
 
予算という概念は、1920年代にコストやキャッシュフローを管理するために生み出されたものですが、それが1960年代になると、「会計数値を記録する」役割から、あらゆる階層の従業員の行動を動機づけるための手法として定着していきます。

この結果、業績評価や報酬算定について、事前に設定された目標をクリアすることが目的となり、あらゆる階層で逆機能的な結果を招くようになったというのです。

逆機能的な結果とは、たとえば予算折衝の時に目標をクリアしやすいように目標を低く設定したり、また目標達成後は顧客サービスをおろそかにしたりする。あるいは余った予算を無理矢理使う、他のチームとの資源や情報の共有がなされなくなるなど、企業の成長を妨げる要因が横行することです。

米国のエンロンやワールドコム、あるいは最近のライブドアで起こった利益操作は、予算編成の時と外部環境が変わったにも拘わらず、利益目標の達成を重んじるばかりに起こったその典型と言え、こうした事態を回避するためにも脱予算経営のマネジメントシステムを導入すべきとしています。

ではどのような「脱予算経営」を講じればいいのでしょうか? ホープ氏らが唱えるのは「相対的改善契約」という考え方。これは現場のトップにあたるマネージャー層への権限委譲を進め、自由裁量権を高める方法です。たとえば社内であれば、他の支店や支所との費用対効果、一人当たりの利益率、利益総額などといった、いくつかの指標で上位(たとえば全体の1/4)に入り続けることなどを、グループ単位で目指すやり方です。

相対的改善契約で権限委譲されたマネージャーたちは、人や商品、給与、戦略などを自由裁量で使えるようになるため、仕事にやりがいを覚え、顧客の要求に素早く対応できようになります。また、企業全体としての首尾一貫性、年度単位ではない継続的で包括的なビジョンへの関心が高まり、その結果、高い企業価値を生み出すことができるというのです。

にわかには信じられない気もしますが、一考する価値はありそうですね。

参考:「脱予算経営」(生産性出版)、ITproサイトほか


■デパート初売り大盛況!
従来、在庫の一掃を目的とした「欲しくないものの寄せ集め」的イメージが強かった福袋。しかしここ数年、百貨店やスーパーから小売店までもがバラエティに富んだ、魅力的な福袋を展開し、お正月は福袋目当ての顧客が殺到、長蛇の列ができるのが恒例となってきました。百貨店側も、このチャンスを逃すまじと、1月2日からオープンする店がほとんどで、同時にバーゲンセールに突入することで、さらに売り上げを伸ばす作戦をとっています。 

おしゃれなティーンにカリスマ的人気の渋谷109には、1月2日、凍てつく寒さの中、福袋目当ての顧客約1万5千人が殺到。警備員の制止も虚しく、大混乱に陥った模様です。結局、同店のその日の来場者数は5万6千人。初売り売上高は前年比0.4%増の約3億円と過去最高額を記録しました。

百貨店では、通常のお得感いっぱいの在庫処分目的の冬物衣料福袋のほか、各店独自性にこだわっているよう。

日本橋三越本店では、「自分の主演映画を撮影できる権利」1億500万円を、横浜高島屋では「夢の高級英国車 セレブリティ オークション福袋」を最低入札価格1650万円より受け付け、プランタン銀座では「職業別モテ系ファッション福袋」2万1千円など、ユニークなものからひたすら高額なものまで、実に色とりどりのラインナップが販売され、おかげでいずれの百貨店も売り上げは上々だった模様。

好景気の波は確実に押し寄せているのですね。

参考:スポニチ、R25、ヨコハマ経済新聞、ニュースの森HP、街角ウォッチ他

■キーワードは「ゆる」
あらゆる情報が錯綜し、多忙で何かとストレスの多い現代社会。そんな今だからこそなのか、力の抜けたゆるい状態、いわゆる「ゆる」をキーワードとした市場が広がっています。

まずは、漫画家にしてイラストレーター、「マイブーム」という流行語の生みの親としても名高いみうらじゅん氏が名付け親となった「ゆるキャラ」。コンセプトもデザインもすべてがゆるーく、見るものを脱力させる癒し系のキャラクターのことで、地方自治体や企業などがPRや村おこしのために作ることが多いようです。

みうら氏の号令の元に日本全国のゆるキャラが東京ドームシティに集結する「ゆるキャラショー」では、チケットが即日完売したり、人気のゆるキャラのブースには長蛇の列ができる大人気。テレビ東京の「TVチャンピオン」では、「ゆるキャラ選手権」が行われたほどです。「ゆるキャラ音頭」まで創作され、本やDVDも発売済み。本来、地元一部でしか知られていないであろうゆるキャラが、全国区の知名度になり、何気に村おこしに一役買うなど大活躍!!

また最近注目を集めているのが、「ゆる体操」。運動化学総合研究所の高岡英夫氏が開発したリラックス法で、体をゆるめることで健康になるのだそう。こちらも本やDVDが多数発売されています。

そのほか温泉やアロマテラピー、ゆるーい暮らしを求めての田舎移住など、「ゆる」市場は、その名とは逆に激しく活気づいているのです。

参考:関心空間!、NHKエンタープライズHP、goo辞書、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」、はてなダイアリー


今月号は、いかがでしたでしょうか?
来月もちょっとした情報をお送りいたします。

キーストーンコンサルティング株式会社
代表取締役 廣谷信幸

TEL: 0120-604-404 FAX:0120-156-151
住所:福岡県北九州市小倉北区浅野1-2-39-4F

インスタグラム
https://instagram.com/nobuyukihiroya
下記のアドレスが私のホームページです!
http://www.keystone-c.net